投資家が「お金」よりも大切にしていることとは?
どうも、modsです。
30歳になり、結婚し、子供ができ、今まで以上に「お金」について考えるようになりました。
最近では、株や投資信託といった投資を始めました。
そんな時に出会ったのがこちらの本。
- 作者: 藤野英人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/02/26
- メディア: 新書
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日本人は「お金」が好き
皆さんは「お金」が好きですか?
「はい、大好きです!」そんな風にストレートに答える人は、あまりいないと思いますが、生きていくためには無くてはならないものですよね。
本書によると、日本人は「お金」が好きだそうです。
ただ、それは、お金を使うのが好きということではなく、現金や預金として、お金を自分の懐に貯め込むのが好きという意味で、「お金そのもの」が好きということ。
日本人の金融資産の内訳は、アメリカやヨーロッパの国民に比べ、預金・貯金の比率が圧倒的に多く、株などの投資に掛ける比率がかなり低くなっています。
日本人はケチな民族
2009年の調査によると、アメリカでは、年間で、成人1人あたり約13万円寄付しているそうで、イギリス人は約4万円だそうです。
それに対し、日本人はいくら寄付しているでしょうか?
なんと、日本人は約2,500円とのこと。
海外に比べると、日本人がいかに寄付しないか明確ですよね。
日本人は「お金」しか信じられない
日本人はお金を貯め込み、人にお金を出したくない。
つまり、他人にお金を渡したら、自分のところにお金が返ってこないと思っているのです。
それは、人を信じず、お金を信じているということ。
そして、著者は訴えかけます。
あなたには、「お金」よりも信じられるものがありますか? あなたには、「お金」よりも大切なものがありますか?
日本人は「清貧の思想」を美徳としている
「清貧」とは、行いが清らかで私欲がなく、そのために貧しく暮らしていること。
元々は、理想的な生き方を実現するために自らが積極的に受け入れた貧しさであり、心の貧しさではない。
「理念に生きるために、あえて豊かな生活を拒否する」という思想が、「豊かになるためには、理念を捨てて汚れなければいけない」という考え方に変わってしまったそうです。
- 豊かになることは汚れること
- お金持ちは何か悪いことをしてお金持ちになった
- お金持ち=悪
本書によると、この「清貧の思想」の間違った解釈が日本をダメにしているとのこと。
「清豊の思想」でなければ成功できない
著者が断言できること。それは、
清く豊かに生きることは可能であり、また、“清豊”を目指すことが、結果的に長期間にわたって会社を成長さえることにつながる
とのこと。
自分で会社を起こし、苦労して株式上場まで果たした創業経営者の多くが賛同したそうです。
会社を起こそうとすると、ひとりでは運営ができないので、同士を募り、志に賛同した人が集まります。
経営者を信じて、納得してもらわなければ、社員が一生懸命働いてくれず、会社は成長しません。
また、お客さんから支持されて、会社は成長します。
少しでも「汚」の世界に経営者が足を踏み入れると、次第に社員全体が経営者を信じられず離れていきますし、お客さんを騙してお金儲けに走ると、長続きはしません。
清く正しくビジネスをしなければ、豊かになれないということです。
アメリカでは「お金持ち」が尊敬される
ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズといった有名な起業家は、多くの人から尊敬されています。
それはなぜか?
ビジネスを創出し、価値を提供し、社会のため、世の中のために、貢献していると考えられているから。
成功しているということは、
- 新しい付加価値を世の中に提供している
- 新たな雇用を生み出している
- 社会を活性化し、豊かにしている
新しいビジネスをつくって成功したり、お金持ちになって寄付することで、世の中に貢献することが「カッコいい」というのが、アメリカ人のスタンダードな考え方とのことです。 まさしく「清豊の思想」ですね。
投資は「お金」ではなく、「エネルギー」のやり取り
著者が定義する「投資」、それは、
いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しをいただくこと
「お金」もエネルギーの中の1つ。
例えば、本を読むという行為は、「時間」というエネルギーを投入し、「知識」をお返しとして得ています。
お返し=「お金」とは限らないとのこと。
- 会社やビジネスに投資することは、「直接的に、世の中を良くすること」
- 自己投資は、「間接的に、自分を通して世の中を良くすること」
- 消費をすることも投資
- 選挙で一票入れることも投資
投資とは「明るい未来をどうつくるか」ということ
「お金」に支配された人生とは、自分のことだけを考えている「閉じた人生」。
仕事をすることでエネルギーを生み出し、消費をすることでエネルギーを使う。
そのエネルギーをどう世の中に流して、みんなと一緒に未来をつくっていくか?
そういったことを考えることこそ、「お金」について考えることであり、「お金」の哲学。
私たちは「お金」を通して、もっと社会のことや自分の人生を立体的に、奥行きのあるものとして見なければならないと著者は訴えかけます。
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この本を読み、「お金」や「投資」に対する考えが深まりました。
「お金」について考えることは、どういった人生を送りたいか、社会に対してどのように関わっていきたいかを考えることであり、いまこの瞬間を何に投資すべきか今一度考えてみようと思いました。
「清豊」な人生を目指して頑張ろうと思います。