面白くて眠れなくなる?言葉の役割とは?
どうもmodsです。
言葉、憲法、貨幣、宗教、結婚・・・
「なぜ社会はこんなふうに成立しているのか?」
帯に書かれているこの言葉を読んで、「うん、確かに、何で?」と思いました。
それを中学生でも分かる平易な言葉で説明されているのがこちらの本。
社会学とは?
言葉、憲法、貨幣、宗教、結婚・・・
上記で挙げたものは社会学のテーマとなるものです。
では、社会学とは何でしょうか?
例えば、宗教は、日本ではそれほど重要視されていませんが、海外ではなくてはならないものです。
では、宗教の役割とは何か?
宗教の種類と違いは?
こういったことを取り上げて考えるのが社会学です。
世の中にある、分かっているようで、分かっていないことを理解しようとする学問。
あるいは、世の中で当たり前と思われていることを、本当にそうなのか確かめる学問です。
今回は、本書から、言葉の役割についてご説明します。
「犬」と「イヌ」の関係
例えば、「犬」には「イヌ」という名前があります。
それによって、モノである「犬」と、その名前である「イヌ」は一体であるような気がします。
でも実は、そうではないと著者は言います。
名前は言うならば、デジタルな性質を持っているが、モノはアナログな性質を持っている。
これはどういうことかと言うと、現実の世界では、白は段々、灰色となり、黒となる。現実の世界は連続的なんです。
しかし、言葉は、白は「シロ」、黒は「クロ」と言うしかありません。
中間は、「ハイイロ」という新しい言葉で定義します。
つまり、言葉は断片的なのですね。
これを著者は、名前はアナログ的、モノはアナログ的と表現するわけです。
言葉で区切られた世界
現実の世界には、たくさんの色があります。
赤、青、黄、緑、紫、その他もっとたくさんの色が。
しかし、人間は自分で名前をつけた色で、この世界を自分たちの都合の良いように見ていると著者は言います。
このことを著者は、犬を例に説明しています。
われわれは、犬と猫が違うと思う。犬と狼が違うと思う。そして、すべての犬は犬だと思う。けれども、みたところ、狼とシベリア犬、シベリア犬とチワワでは、狼とシベリア犬のほうが似ていませんか?
このことは、現実の世界とは無関係に「イヌ」と「イヌでないもの」の間に線引きをしています。
こうすることで、犬であるか、犬でないかが判断できるのです。
確かに言葉の意味が曖昧であれば、人に自分の考えていることを共有することはできません。
言葉は、現実の世界を区切る役割を果たしているのですね。
***
今回ご紹介したのは、本書のほんの一例です。
なぜ社会はこんなふうに成立しているのか?
当たり前のことを、改めて考えさせてくれるとても興味深い本です。
読んだ後では、世界が違って見えるかもしれません。
教養としても面白いこちらの本、一度読まれてみてはいかがでしょうか。