読書録

読んだ本の記録として

「ヒューマン・ファースト」によってもたらされた「シェアリング・エコノミー」

どうもmodsです。
ウェブ業界で働いていることもあり、今後ウェブとリアルの世界がどのように発展していくか気になったので、こちらの本を読んでみました。 
ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)

ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)

 

 

「ヒューマン・ファースト」の到来

以前は、”コンピューター”より”人間”の位置づけが下位にありました。
なぜなら、”人間””コンピューター”を利用するための技術コストが大きかったからです。
その頃のインターネットと言えば、接続するための通信機器、知識、経験が必要とされ、万人に開放されているものではありませんでした。
その後、ネットワークを中心とするかたちでテクノロジーが発展し、グーグルはその世界をシンプルなインターフェイスと高度なアルゴリズムを使い、私たちに開放しました。
 
そして近年のフェイスブックの登場により、これまで端末同士を接続していたインターネットが、”人間”同士を接続しました。
これにより、コンピューターと人間の序列は逆転し、人々は通信機器や端末の存在すら感じなくなりつつあります。
それはつまり、「ヒューマン・ファースト(人間中心主義)」の時代が訪れたということなのです。
 

情報は「露出量」から「強弱」へ変化

ヒューマン・ファーストの時代には、まるで人間は固定アドレスを振られたウェブサイトのように、ほかの人間と接続するようになります。
その人間同士の関係性をシステム側が理解し、それぞれの関係性によって取得できる情報も変わってきます。
フェイスブックなどのソーシャルメディアは、それまで機械が行っていた情報の収集・分類といったことを”人間”に代替させました。
そして、情報の選別は、これまでのマスコミュニケーションにおいて、注目を集めることに重きを置いた「露出量」から「強弱」へと変化しました。
情報の「強弱」とは、あなたが信頼を寄せる人からの情報発信だったり、親近感を感じさせるものです。
これはつまり、1つの情報は誰かにとって無意味でも、別の人にとっては重要かもしれず、人によって異なるということなのです。
 

「シェアリング・エコノミー」によって新たな価値が生まれる

ヒューマン・ファーストの時代においては、その人のもつ情報や知財といった資源へのアクセスが可能になります。
自らの資源をシェア可能にし、インターネット上で可視化することで、その資源を必要としている人と出会うことができます。
これは、カーシェアリングといったモノの貸し借りや、労働力、アイデアといった知的財産も含まれます。
「シェアリング・エコノミー」では、旧来の所有という概念を脱し、資源をシェアすることで、他者とともに新しい価値を生み出すことができるのです。
 
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ウェブの歴史から未来まで、情報量が多くて、とても勉強になる本です。
ウェブ業界で働く人は読んでおいて損はありません。
ぜひご一読をおすすめします^^
ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)

ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)